ネタバレあり「変な家」あらすじとおすすめポイント

映画・本

 

年間約40冊ほど本を読んでいます。かつてはミステリー小説中心でしたが、最近は自己啓発本やエッセイを手に取ることが多いです。ジェーン・スーさんや中野信子さんの作品が多め。他にもキャリア形成やメンタルヘルスに関するものも…。

皆さんは「変な家」という小説をご存知でしょうか。YouTuberの雨穴が原作のオカルティック・ミステリー小説です。ホラーのような作風でありながら、幽霊やお化けが出てくるわけではない、そこはかとなく不気味なストーリーは中毒になること間違いなしです。2024年には映画化することも決まっているYouTube発の「怖すぎない」ホラーエンタメは必見です。

話題騒然!! 2020年、ウェブサイトで166万PVを記録
YouTubeではなんと700万回以上再生!
あの「【不動産ミステリー】変な家」にはさらなる続きがあった!!

謎の空間、二重扉、窓のない子供部屋——
間取りの謎をたどった先に見た、「事実」とは!?

知人が購入を検討している都内の中古一軒家。
開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に「謎の空間」が存在していた。知り合いの設計士にその間取り図を見せると、この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が存在すると言う。
間取りの謎をたどった先に見たものとは……。

不可解な間取りの真相は!?
突如消えた「元住人」は一体何者!?

本書で全ての謎が解き明かされる!

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おすすめポイント

ホラー作品と言いながら、お化けが出てこない不気味系ミステリー作品となっており、他作品で言えば、道尾秀介や京極夏彦などがお好きな方には確実に刺さるであろう作品になっています。そこはかとない不気味な雰囲気はきちんと出してくれていながら、個性的で魅力溢れるキャラクターたちが物語を「怖すぎない」方向へと持っていってくれるので、ホラーが苦手な人にも読みやすい内容となっています。
また、メインテーマも「不動産ミステリー」と今までになかったジャンルで、そのタイトルから事故物件に関するものかと思うかもしれませんが、そうではないのです。少し前に話題となった「事故物件 怖い間取り」とは別角度なミステリー要素の強いものとなっています。

YouTuber 雨穴とは?

作者でホラー作家であるYouTuberの雨穴は、一体どのような人物なのでしょうか。YouTubeを見てみると、覆面で顔出し一切なしで活動しており、その詳細は謎に包まれています。声さえもボイスチェンジャーで変えており、その性別も不明です。

YouTubeの更新は数ヶ月に一度とそこまで多くないものの、独特な世界観で人気を博し、チャンネル登録者数は94万人(2023年8月現在)となっています。

投稿されているものは、自作の音楽やちょっと不気味なネタ動画、そして「変な家」も配信していたようなドラマ仕立てのホラー動画です。他にも、「変な絵」、「変なAI」、「差出人不明な仕送り」など40分越えの大作オカルティックミステリーを多数配信しています。

雨穴氏は「オモコロ」というウェブメディアのライターで、「1人でバンドを組んで演奏してみた」などのシュールな記事を多数掲載しています。また、最近ではテレビ東京系列で放送された「何かおかしい」で原案・出演を務めるなどマルチに活躍しています。

映画へ…キャストは?

そしてこの「変な家」は2024年には映画化することが決定。2023年8月現在で、キャストなどは未発表ですが、一体誰がキャラクターたちを演じるのか、非常に楽しみです。

ちなみに、本作はすでにコミックス化はしており、映画もこのビジュアルイメージを踏襲することも考えられます。

一方で、原作者のイメージはこちら。どういったキャスト、内容になるのか楽しみです。

追記 この度、実写版映画キャストが発表されました!

雨宮/雨男:間宮祥太朗
栗原:佐藤二郎
柚希:川栄李奈

公開は、2024年3月15日。ムビチケを買って待ちましょう!

【ネタバレ】ストーリー教えます!

ここからは真相にもかかわる重大なネタバレを含みます。未読の方、ネタバレが嫌な方はここでUターン。

「変な家」とは

オカルト専門のフリーライターである筆者のもとに、知り合いから間取りに関する相談を受けるところからストーリーは始まります。日当たりも良い、印象のいい中古物件の間取りに一つだけ不可解な点があるというのです。それは、入ることのできない壁に挟まれた奇妙な空間。

筆者はその空間にについて調べるため、ホラー愛好家で設計士である知人の栗原に意見を求めることに。そこで分かったのは、この謎の空間は意図的に作られた、ということだった。

間取りから読み取れる「家」の秘密

一見、窓が多く日当たり良好なこの家には、窓がひとつもなく他の部屋に隠されるように配置された監禁するのに適したつくりの子供部屋もあることが栗原より指摘され、「家」への不信感が募っていく。

そんな時、1階と2階の間取りを見比べていた筆者は、「謎の空間」が2階の監禁部屋と浴室を繋ぐ通路となり得ることに気づく。そしてその間取りから想像されるのは、監禁部屋にいる子供が誰にもみられずに浴室へと行き、簡単に殺人を犯せるという可能性だった。

筆者がこの憶測を相談者に伝えようとしたところ、「変な家」の周辺で他殺体が発見されたというニュースが報じられた。

「家」を知る者

家の真相が気になった筆者は、ネット記事でこの家に関する考察を公開し、情報を集めることにした。すると、宮江柚希という女性から、「その家を知っているかもしれない」との情報提供があったのだ。彼女曰く、3年前に自分の夫である宮江恭一が似た間取りの別の家へいった後、殺害されたという。

そこで、もう一つの「変な家」の存在が明らかになった。そこには同じように窓のない子供部屋があるいっぽうで、増築された謎の三角部屋もあり、ますます奇妙さに拍車をかけるものだった。「変な家」の住人は、柚希の持ってきた「2つ目家」で生活した後、最初の「変な家」へと越してきたことが判明する。

筆者は栗原にこの「2軒目」の間取り図も見てもらう一方、最初の「変な家」へ実際に行ってみることに。そこで判明したのは、この家にかつて住んでいたのは若い夫婦と1歳程度の幼い子供1人だったという。しかし、一家が引っ越していく前日、隣人はその家に小学生くらいの「別の子供」を見たというのだ。

栗原の推理

このことを栗原に伝えると、何らかの理由で小学生の子供を使った殺人の片棒を担がされていた夫婦が、1歳の我が子を守るために増築したのが「2軒目」の三角部屋なのではないかと推理した。また一方で、宮江恭一には妻はなく、柚希自身もなぜか嘘をついていることが明らかになる。

柚希に分かったことを伝える一方で、嘘のことを問い詰めると、実は彼女は「変な家」の住人である片渕綾乃の妹であると告白する。

柚希の告白

片渕綾乃は、柚希が10歳の時に失踪し、親からも「うちの子じゃなくなった」としか聞かされていなかった。しかし、柚希が高校を卒業した後、綾乃から突然連絡が来たというのだ。
そこで彼女が慶太という男性と結婚したこと、浩人という子供ができたいうことを知り、13年ぶりに再会を果たしたというのだ。

しかし、再び姉と音信不通となってしまった。柚希は、姉を捜索しようとするが、「2軒目」の家も取り壊されてしまったため、打つ手なし…となったところで筆者の「変な家」の記事を発見し、コンタクトを取ったというのだった。

呪われた一族と「左手供養」

柚希の姉の失踪の真相を探ることになった筆者、栗原たち3人は、幼少期に柚希の祖父母宅で起きた不可思議な死亡事故がことの発端であると考える。

その祖父母宅では、姉妹の従兄弟にあたる当時7歳の洋一が巨大な仏壇の前で転落事故により死亡していたのだ。当時は洋一が仏壇に登ろうとして落下した転落事故として片付けられたが、件の仏壇の前には、姉妹らが寝ていた部屋を通らないといくことができないことから、別の場所で死んだ洋一を何者かが仏壇の前へ移動させたのではないかと考えられた。

そしてこの祖父母宅も、今までの「家」のように殺人に適した隠し通路や隠し部屋があったのではないかと推察されたのだ。

そんな時、柚希の母・善江から連絡があり、大正時代から続く片渕家の恐ろしいお家騒動と、それに端を発した「左手供養」という呪われた儀式が執り行われていることを聞かされるのだ。

「左手供養」とは、大正時代に起こった片渕家のお家騒動の果てに、奥方であった潮という女性が自らの左手首を刺して自害したのがことの始まりだった。その後、片渕家に左手のない双子が生まれたことから、祟りを恐れた当主が呪術師に相談すると、子供が3歳になった時に、復讐のための殺人を左手のない子供にさせ、その被害者の左手を納めよ、と諭された。

それを信じた当主は、それ以来、片渕家に左手のない子供が生まれるとしきたりを実行し、この令和の世にまで、それが残っているというのだった。

その結末は…

洋一には、左手のない弟・桃弥が生まれており、そのために綾乃は「左手供養」のしきたりに巻き込まれていってしまう。しかし、しきたりの教育を受けたのが小学校高学年と遅かった綾乃は、何とか桃弥を守ろうと、「変な家」に住みながら、自殺体や自然死した遺体を見つけては、左手供養をやっているふりを祖父母にしてきていたのだった。

しかし、その企みも祖父母にバレてしまい…

ストーリーのラストはぜひ、書籍やコミックス、映画で!ここに書ききれなかった恐ろしいお家騒動の全貌や狂ったしきたり、祖父母、一族の裏側は背筋を凍らせずに読むことは不可避です。気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。

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