最近では、ニューノーマルという言葉も定着し、SDGsなどもあって公私共にこのままではいられない、と感じることが多くなってきたのではないでしょうか。
そんな世の中で、変化するということに対する考え方に革命を起こしてくれる一冊を紹介したいと思います。
「チーズはどこへ消えた?」レビュー
ヘムの行動には非常に共感するところが非常に多くありました。新しいものが受け入れられないことや、変化することに恐怖を感じるというのはきっと誰しも経験したことがあると思います。しかし、ヘムという存在を客観的に見ることで、そんな行為がどれほど愚かしいことなのかを感じることができました。
最近、新たな価値観を目の当たりにして「最近はつまらなくなった」とか「ここまで配慮しなきゃいけないなんて面白くない」なんて感想を聞いたり、自分でも抱くことがありますが、これこそ「新しいチーズを受け入れられない」変われていない状況なのだろうと感じます。
また、「変わろう」と決心したところで「新しいチーズ」が何なのか見つけられていないという部分も大いにあると感じました。新しいチーズを鮮明にイメージし、それを楽しむ姿を想像することが、当たらなチーズを見つける鍵です。
それを見つけることが、「変わる」という具体的行動を起こしていくなかで難しいところだと感じました。
要点
- 変化には恐怖が伴う
- 恐怖を乗り越えた先には楽しみがある
- 変化に気づくためには、つねに観察が必要
要約
クラスメートだった数人がクラス会で再会し、自分達の近況を話している。どのクラスメイトも高校卒業後の自分の身に起きた変化について語っていた。するとそのうちの一人が、変化に関する「面白い物語」についてクラスメイトに話し出す。その物語こそが「チーズはどこに消えた?」だ。
登場人物は、ネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホーの2匹と2人だけである。
その世界では誰もがチーズを探しており、チーズは巨大迷路のどこかにある。冒頭、2人と2匹は迷路の中を駆け回ってやっとの思いでチーズを見つける。
単純な動物のスニッフとスカリーは毎日観察しながらチーズにありつき、かしこい小人のヘムとホーはチーズの近くに住み、賢さゆえに安心して(怠惰に)チーズを消費していた。しかしある日のこと、発見したはずのチーズが消えてしまったのである。
スニッフとスカリーはすかさず新たなチーズ探しに迷路に繰り出すが、ヘムとホーは消えてしまった事実を受け入れられず、いつの日かチーズがそこに戻ってくるのではないかと何も行動を起こさなかった。
しかし、一向にチーズは戻ってこない。そこでホーは、新たなチーズが見つかるという保証もない巨大迷路に再び勇気を出して繰り出す決心をする。彼は、変化しなければ訪れるものは破滅のみと考え、恐怖に打ち勝ち新たなチーズ探しの旅を始めたのだ。最初は恐怖ばかりの旅だったが、ホーはその旅から様々な教訓を得て、喜びや楽しさを感じるようになる。その教訓というのが、下記のようなものである。
変化は起きる(チーズはつねにもっていかれ、消える)
スペンサー・ジョンソン著「チーズはどこへ消えた?」 より
変化を予期せよ(チーズが消えることに備えよ)
変化を探知せよ(つねにチーズの匂いをかいでみることにすれば古くなったのに気がつく)
変化にすばやく適応せよ(古いチーズを早くあきらめればそれだけ早く新しいチーズを楽しむことができる)
変わろう(チーズと一緒に前進しよう)
変化を楽しもう!(冒険を十分に味わい、新しいチーズの味を楽しもう)
進んですばやく変わり、再びそれを楽しもう(チーズはつねにもっていかれる)
一方、ヘムは最初のチーズがなくなったのは誰かのせいだから、誰かがこの状況に補償を与えるべきだとか、いまさら再び巨大迷路に繰り出すことなんてできない、とか新しいチーズではなくて「あの」チーズがいいんだ、とばかり言って結局、最後まで迷路に繰り出すことはなかった。
この話を聞いたかつてのクラスメイトたちは感銘を受け、口々に議論を交わす。そして最後には、皆がこの物語のおかげで変化に対する見方を改めることとなったのである。
おすすめポイント
この作品は、童話のような物語調にすることで変化に対する向き合い方を4つの行動パターンに分け、わかりやすく提示しています。
これを読めば、変化に対してどのように向き合えばいいのか、どういうマインドでいることが必要なのかのヒントがもらえます。多くが書かれていないからこそ、これを読んでどう行動していこうか自ら考えることができる作品になっていると思います。
環境が変わって戸惑っている方、変わらなきゃと思いながら恐怖に立ち止まってしまいがちな方におすすめの作品です!
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