ネタバレあり「赤と白とロイヤルブルー」のあらすじとおすすめポイント!

映画・本
年間約40冊ほど本を読んでいます。かつてはミステリー小説中心でしたが、最近は自己啓発本やエッセイを手に取ることが多いです。ジェーン・スーさんや中野信子さんの作品が多め。他にもキャリア形成やメンタルヘルスに関するものも…。

皆さんは赤と白とロイヤルブルーという作品をご存知でしょうか。BL好き必見の海外小説で、米国大統領の息子と英国王室の王子が恋に落ちるという驚きのファンタジーロマンスです。Amazonプライムでの映画化も決定しているロマコメですが、ロマンスだけでなく、政治やLGBTQ+にまで切り込んだ骨太作品なのです。

アメリカ初の女性大統領の長男アレックスは、英国のフィリップ王子のロイヤル・ウエディングへの参列を前に憂鬱だった。フィリップの弟ヘンリーとアレックスは、女性誌に載る回数を競うライバル同士だと言われるが、いつも冷淡なヘンリーがアレックスは苦手だ。その夜の晩餐会でも、冷ややかな態度をとる王子の肩に思わず手をかけた次の瞬間、一緒にウエディング・ケーキの上に倒れ込んでしまった。米英戦争勃発かと世間は大騒ぎになり、二人は全世界に向けて仲のよさをアピールすることになるが……

Google Booksあらすじ より

おすすめポイント

男性同士の禁じられた恋を描いており、映画でいえば「君の名前で僕を呼んで」などがお好きな方には確実に刺さるストーリーです。平坦ではなさすぎる二人の恋路ですが、魅力的な仲間たちの応援もあり希望へと進んでいく姿に胸が打たれます。
しかし、要点は彼らの恋だけでなく生き方はもちろん、英米の政治LGBTQ+にも切り込んでおり、非常に読み応えのある内容です。また、主人公の親である米国大統領はアメリカ初の女性大統領。2016年に初当選した、という設定で背景で起こる出来事や言及されるポップカルチャーも実在するものばかりのため、『トランプ大統領が当選しなかった』what ifの世界としても楽しめます。

知っておきたい、アメリカの大統領選

本作のクライマックスでは、アメリカの大統領選が描かれます。ここまでおしゃれなフランス映画風だったのに、突如としてTheアメリカ!作品内でも簡単には触れられていますが、アメリカの選挙制度を知っていればもっと臨場感を持って楽しめるはずです。

アメリカの大統領選挙は4年に1回実施され、11月の初旬に執り行われます。アメリカの大統領選挙は、単純な得票数ではなく、州ごとに人口によって割り振られた選挙人がおり、得票数によってその選挙人全員がどちらサイドにつくかを決めます。例えば、カリフォルニア州で勝者となった候補者は、カリフォルニア州に割り当てられた選挙人55人全員を獲得するというわけです。
それ故に2020年のトランプ前大統領とバイデン大統領の選挙の際も接戦となったことで、州ごとの勝敗がすぐに決まらず、「当確」はどちらにもなかなかつきませんでした。

映画へ… キャストは?

海外でも話題の本作は、映画化がすでに決定しており撮影も行われています。配給はアマゾン・スタジオ。どのような映画となるのか、非常に楽しみです。

キャストは、主人公でアメリカ大統領の息子のアレックス役にはテイラー・ザハール・ペレス。英国王子のヘンリー役はニコラス・ガリツィンが演じる予定です。

2023年8月11日Amazonプライムで配信が開始しました!

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【ネタバレ】ストーリー教えます!

スタートは喧嘩から始まる二人

アレックスは、アメリカ大統領の息子としてその見た目などから、ホワイトハウスのイメージ戦略としても使われる魅力的で才能のある青年。また、彼は将来は両親と同じように政治家の道を目指しており、そのためにも努力を惜しまなかった。
彼は昔、オリンピックで出会った英国王室のヘンリーから失礼な態度を取られたことを根に持っていた。しかしヘンリーの兄のフィリップが結婚することとなり、図らずもアレックスはヘンリーとの再会。そこでアレックスはヘンリーと大げんかしてしまい、各国の憶測や、国際危機を脱するために『ヘンリーとアレックスは大親友』という大芝居をメディア向けにすることとなるのだ。

有名人ゆえの孤独… 分かり合い、なんでも言える友人へ

親友のふりをすることになってしまった二人は、メディア向けに交遊したり、メッセージのやり取りをするようになる。そこで、アレックスはヘンリーの世間で知られている「つまらない」人間性は王室が作り出したものであり、実際のヘンリーはとても魅力的な人物だと知る。
メッセージだけでなく、電話でも話すようになった二人は王室の閉塞感へのストレスなどを吐露し、絆を育んで、唯一無二の親友となっていく。

アイデンティティの暴露と気づき、そして恋

年末の年越しパーティーで再会した二人。アレックスはお酒も入り、大好きな友人たちもいることでお祭り騒ぎ。しかしそこで、アレックスはヘンリーからキスをされ、彼がゲイセクシュアルであることを暴露されるのだ。
ずっとストレートだと自認していたアレックスは最初は戸惑い悩むものの、彼に昔から惹かれていたのだという事実を認め、とうとう交際をスタートさせる。しかしヘンリーは王子であるし、アレックスも母の二期目の選挙がもうすぐ、ということもあり、決して世間にバレてはいけない恋となった。
公務などに託けて、密会を繰り返す二人。こちらが恥ずかしくなるくらいのラブラブな関係へと変化していく。

一生ものの恋なのか…

細心の注意を払い、交際を続けていた二人だがとうとうアレックスの母親たちに交際がバレてしまう。母エレンは息子がバイで、同性同士で交際していることには反対しないものの、相手がヘンリーだと知り戸惑う。英国王子との交際はリスクが大きすぎることを解き、たとえ二人の関係が今後どうなっても、世間にバレたら一生『ヘンリーの恋人』と言われるのだから、その覚悟はあるのか確認する。
アレックスはその母からの問いに悩むものの、アレックスの故郷であるテキサスでヘンリーと休暇を過ごすうちに、「この恋は一生もの」だと確信し、ヘンリーに思いを伝える…。
しかし、ヘンリーはその思いに応えることなく、イギリスへと帰国してしまう。ヘンリーは、王室の古い体制から、王室は自分をゲイだとは認めてくれないし、それゆえに好きな人と結ばれることは決してないと諦め、元々「一生もの」にするつもりはなかったのだ。
しかし、アレックスからのアプローチによりもう彼から離れることはできないと認め、二人で生きるために王室と戦うことを決心するのだ。

世間への暴露と、王室との対峙

そんな矢先、二人の熱愛が大々的に報じられてしまう。選挙の直前であり、ヘンリーも家族にカミングアウトをする前という最悪のタイミング。二人は会うことも話すこともままならないまま、対応に追われてしまう。英国女王は、火消しのためヘンリーの偽の女性の恋人をでっち上げようとするが、ヘンリーは勇気を持って「自分らしくいさせてくれ」と思いを吐露する。
多くの人から批判されるだろうと考えていた二人だが、幸か不幸か彼らのメールやりとりまでメディアに公開されたこともあり、大衆が二人を応援。
アレックスは堂々とホワイトハウスで交際宣言をし、王室の正当な求婚者として名を連ねていくこととなった。

そして、運命のアメリカ大統領選へ

選挙も近づくなか、二人の交際をストーキングの末に暴露したのは対立候補者陣営だということが明らかになる。アレックスとヘンリーの交際は世間にカミングアウトし、比較的好意的に受け入れられたものの、保守的な州もあるアメリカで母が再選できるかは別問題。特にアレックスたちの故郷であるテキサス州は保守的で有名な州。
ヘンリーも見守る中、大統領選挙の投開票が行われて…。

ここには書ききれなかった姉や友人たちの関係も魅力的です。気になったら、「赤と白とロイヤルブルー」をぜひ読んでみてください!

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